【E-Actふくしま環境リレーコラム】第26回 環境省 裏磐梯自然保護官事務所「国立公園の環境保全-登山道と外来種-」
2024年03月31日国立公園の環境保全-登山道と外来種-
裏磐梯自然保護官事務所は、北塩原村にある環境省の出先事務所です。私たちは、福島県・山形県・新潟県にまたがる「磐梯朝日国立公園」の南側半分ほどを舞台に、国立公園の管理に関わるお仕事をしています。 実は私たちのコラムは2周目になります。全般的な説明は1周目の第11回 に譲り(ポイントは「保護と利用の好循環」!)、今回は環境保全に直結するような、より個別具体的な取組を2点、ピックアップして書いていこうと思います。 登山道の保全作業 まずご紹介するのは、登山道に関わる取組です。磐梯朝日国立公園には磐梯山や吾妻山、安達太良山など人気の山々があり、それぞれにたくさんの登山道が存在します。これらの登山道は人が通れるよう、草刈りなどの手入れがされているところがほとんどです。 しかし法律上管理者が決まっていなかったり、手入れをする人材が不足していたり…と、持続していくには多くの課題があります。
この状況を改善するべく、私たちは昨年(2022年)度から、地域の方々と現地発生材(登山道沿いの石など)を活用した登山道の保全作業を実施しています。 また今年(2023年)度からは、現在の状況を共有して今後の管理体制を考える意見交換会や、登山道の管理責任などの法的責任に関する講演会の開催などを行いました。 外来種対策 次に、外来種対策をご紹介します。外来種とは人の手によって、もともといない地域に入った生きもののことです。磐梯朝日国立公園には例えばオオハンゴンソウやコウリンタンポポといった外来植物が侵入しており、これらは在来の植物の競合相手になってしまったり、景観を大きく変えてしまったり、といった問題を引き起こしています。
私たちはこれ以上影響が拡がらないよう、福島市の浄土平や裏磐梯の五色沼などで、環境省の登録ボランティアである「パークボランティア」の方々と一緒に、外来植物の抜き取り作業を行っています。 登山道と外来種、どちらも一朝一夕に解決できる課題ではありませんが、これからも皆さまと一緒に一歩ずつ取り組んで行けたらと思っています。
お知らせ
・パークボランティアの新規募集を行います。活動内容は外来種対策のほか、巡視や美化活動、自然体験イベントの支援などです。詳細決定後、東北地方環境事務所HPなどでお知らせします。 ・小学生を対象にした、「子どもパークレンジャー」イベントを実施します。私たち「レンジャー」のお仕事体験を通して、国立公園について知ってもらうイベントです。学校や新聞を通してお知らせ予定です。 ・2024年3月現在改修工事中の裏磐梯ビジターセンターは、10月にリニューアルオープン予定です。展示も一新されますので、ぜひお越しください!